クラウドアーキテクチャ設計とは
クラウドアーキテクチャ設計の基礎から実践的な設計プロセスまで、体系的に解説します。
クラウドアーキテクチャ設計とは
クラウドアーキテクチャ設計とは、システムをクラウド環境上で構築するための構造・コンポーネント・相互関係を計画・設計するプロセスです。どのクラウドサービスをどのように組み合わせ、どう連携させるかを体系的に定義します。
従来のオンプレミス環境との主な違いは以下の通りです。
- •従量課金モデル:使った分だけ支払う。初期投資が不要で、需要に応じたコスト最適化が可能。
- •弾力的スケーラビリティ:需要の増減に合わせてリソースを動的に拡張・縮小できる。
- •マネージドサービスの活用:データベース・認証・ストレージなどをクラウドプロバイダーが管理・運用するため、自社の開発リソースをビジネスロジックに集中できる。
- •グローバル展開の容易さ:世界中のリージョンにリソースを展開でき、低レイテンシのグローバルサービスを構築しやすい。
クラウドアーキテクチャの主要コンポーネント
アプリケーションを実行する計算リソース。AWS EC2・Azure Virtual Machines・Google Compute Engine などの仮想マシン、またはコンテナ(ECS/AKS/GKE)、サーバーレス(Lambda/Functions)など多様な選択肢がある。
データを保存するためのサービス。オブジェクトストレージ(S3/Azure Blob/GCS)、ブロックストレージ(EBS/Managed Disks)、ファイルストレージ(EFS/Azure Files)など用途に応じて使い分ける。
クラウドリソース間およびインターネットとの通信を制御する。仮想ネットワーク(VPC/VNET)、ロードバランサ(ALB/Application Gateway)、CDN(CloudFront/Azure CDN)などで構成する。
アクセス制御・脅威対策・データ保護を担う。IAM によるアクセス権管理、WAF による Web 攻撃防御、Secrets Manager による機密情報管理、KMS による暗号化が基本となる。
Well-Architected Framework の 5 つの柱
AWS が提唱する Well-Architected Framework は、クラウドアーキテクチャの品質を評価する 5 つの柱を定義しています。Azure・Google Cloud も同様のフレームワークを公開しており、クラウド設計のベストプラクティスとして広く参照されています。
ビジネス価値を提供するためのシステム稼働・監視・継続的改善の能力。IaC、CI/CD、可観測性の整備が鍵。
データ・システム・資産を保護する能力。最小権限の原則、データ暗号化、ネットワーク分離、セキュリティイベントの検知が基本。
期待通りに動作し続け、障害から迅速に回復する能力。マルチ AZ 構成、自動フェイルオーバー、DR 計画(RTO/RPO の定義)が重要。
リソースを効率的に使用してシステム要件を満たす能力。キャッシュ、CDN、適切なインスタンスタイプ選定、非同期処理が有効。
最低価格でビジネス価値を提供する能力。適切なリソースサイジング、Reserved/Savings Plans、不要リソースの削除、コスト可視化が基本。
設計プロセスの流れ
業務要件・機能要件・非機能要件(可用性・性能・セキュリティ)を整理する。ステークホルダーへのヒアリングと RFP 分析が基本。
要件に基づき複数のアーキテクチャ案(例:サーバーレス vs コンテナ vs VM)を比較検討し、最適案を選定する。
選定したアーキテクチャを構成する各コンポーネント(コンピュート・DB・ネットワーク・ストレージ)の詳細を決定する。
IAM 権限設計、ネットワーク分離(セキュリティグループ・NACL)、暗号化方針、シークレット管理方法を定める。
AWS Pricing Calculator 等を用いて月額・年額コストを試算する。オンデマンドとリザーブドの比較、コスト最適化案を検討する。
Well-Architected Framework に照らしたレビューを実施し、ステークホルダーの承認を得る。ADR(Architecture Decision Record)として意思決定を記録する。
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