サーバーレスパターン
FaaS(Function as a Service)を活用した代表的なサーバーレスアーキテクチャパターンと、AWS・Azure・GCP での実装例を解説します。
サーバーレスパターンとは
サーバーレスパターンとは、AWS Lambda・Azure Functions・Google Cloud Functions などの FaaS を中心に、クラウドマネージドサービスを組み合わせてシステムを構築する設計パターンの体系です。サーバーの管理を完全にクラウドプロバイダーに委ねながら、様々なユースケースに対応する構成を実現します。
各パターンはイベント(HTTPリクエスト・ファイルアップロード・メッセージ・タイマー等)をトリガーとして関数を実行する「イベント駆動」という共通概念を持ちます。適切なパターンを選択することで、スケーラブルかつコスト効率の高いシステムを構築できます。
主要パターン
外部イベント(S3 アップロード・DB 変更・HTTP リクエスト)が発生したときにのみ関数を実行。アイドル時のコスト=0 で最もコスト効率が高い基本パターン。
1 つのイベントを複数の関数で並列処理するパターン。SNS トピックに複数の SQS キューを紐付け、それぞれの Lambda が独立して処理することでスループットを最大化。
複数の処理ステップをシーケンシャルに実行するパターン。Step Functions(AWS)や Durable Functions(Azure)でステートフルなワークフローを管理し、各ステップをサーバーレス関数が担当。
CRON 式や固定間隔でサーバーレス関数を定期実行するパターン。バッチ処理・レポート生成・データ同期・リソースクリーンアップ等の定期タスクに使用。
イベント駆動パターン
最も基本的なサーバーレスパターン。S3 へのファイルアップロードを契機に Lambda が自動起動し、ファイルを処理する典型的な構成です。
ファンアウトパターン
1 つのイベントを複数のサブシステムが並列処理する分散パターンです。SNS(Pub/Sub)を中心に複数の SQS キューへ配信し、それぞれ独立した Lambda が処理します。
各 SQS キューには DLQ(Dead Letter Queue)を設定し、処理失敗時のメッセージを保持・リトライします。SNS フィルターポリシーを使うと特定の Lambda にのみメッセージを配信できます。Azure では Service Bus トピック + サブスクリプション、GCP では Pub/Sub で同様のパターンを実装できます。
パイプラインパターン
複数のステップを順番に実行するワークフローパターンです。Lambda のチェーン実行ではなく、Step Functions(AWS)や Durable Functions(Azure)が状態管理を担い、各ステップが独立した Lambda として実行されます。
ASL(Amazon States Language)でフローを JSON 定義。エラーハンドリング・並列実行・タイムアウト・待機(Wait)が組み込み機能として利用可能。
オーケストレーター関数がフローを管理し、アクティビティ関数が各ステップを実行。コードでワークフローを定義できる柔軟性が特徴。
パターン選択ガイド
| ユースケース | 推奨パターン | 主要サービス |
|---|---|---|
| ファイルアップロード処理 | イベント駆動 | S3 → Lambda |
| REST API / Webhook | イベント駆動 | API Gateway → Lambda |
| 注文・イベント通知の並列処理 | ファンアウト | SNS → SQS × N → Lambda |
| AI/ML 多段処理・文書生成 | パイプライン | Step Functions → Lambda |
| 日次バッチ・定期レポート | スケジュール | EventBridge Scheduler → Lambda |
| 大量データの並列変換 | ファンアウト + パイプライン | SQS → Lambda Map(Step Functions) |
ArchitectAI でクラウドアーキテクチャ設計を自動化しましょう
無料で始める(10クレジット)